20歳と38度線

朝鮮半島に関心のある大学生の日常。

『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』パク・ミンギュ著

韓国から帰ってきて、

 

 

気が向いたら勉強して、

 

 

気が向かなかったら本読んで、

 

 

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』のような週休7日を過ごしました。

 

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韓国にプロ野球ができたのが1982年で、

 

 

韓国のプロ野球史上最弱の幻の野球チーム、三美スーパースターズ

 

 

心を奪われた少年の半生の話が、

 

 

このパク・ミンギュ著『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』という本そのものです。

 

 

この本を読み終わった後、たまたま過労死の国家答弁のニュースを読み、

 

 

日本も三美に言わせれば

 

 

『プロ』という名の資本主義の病気にかかってるってことなんだなと

 

 

1人納得していました。

 

 

今の私はと言うと、

 

週休7日万歳と称賛しながら

 

 

資本主義からの独立から足を洗おうか洗わまいかを

 

 

悩もうか、まだやめておこうかを布団の中で決めかねているところです。

 

 

韓国ではIMF通貨危機

 

 

経済危機として1番深く心に刻み込まれているけれど、

 

 

日本経済もリーマンショックでえぐられたあと、

 

 

しばらく鬱状態だったと思います。

 

 

日本経済の数字が戻ってきてるという話は聞くっちゃ聞くけど

 

 

肌温度的にはまだまだシベリア気団みたいに冷たくて、

 

 

頼みの綱の東京オリンピックは風通しの良さそうなエンブレムみたいにスカスカで

 

北から真っ逆さまに降りてくる極寒の冷気からは守ってくれそうにもない。

 

 

それなのに陽気な3人のブラザーズが植え付けた鬱の根は、

 

 

7年前の塩水を吸い込んで、

 

 

なんだか、スカスカの輪っかも絡め取って行きそうな感じ。

 

 

 

こんな暇な大学生みたいなこと考えてなくても、

 

 

シンプルに

『働きすぎだわ』

『人生忙しくて休めてないわ』

っていうあなたには、

 

 

 

この本はぐさぐさ心の根っこに刺さっていくと思います。

 

 

 

IMFで疲れ果てた人々の背中を

 

 

『押す』んじゃなくて

 

 

『撫でて』くれた作品は

 

 

私たちの心も暖かい温泉で

 

 

根深い経済の肩こりがじわじわ消えるように

 

 

揉みほぐしてくれると思います。

 

 

 

 

 

 

 

パク・ミンギュは、いわゆる弱者の側に立ち、

 

 

それを社会批判を含む大げさなユーモアで

 

 

暖かに物語という形で包み込む人だと思います。

 

 

この本でも、ある少年の半生を描きつつ、

韓国の現代史というか、

韓国の空気史というのがデフォルトされつつも

 

リアルに描かれています。

 

 

 

韓国に滞在していた時、

 

「韓国の若者の悩みを知る、感じる作品を教えてください」と言っていた日本の青年がいて、

 

 

私は、パク・ミンギュの小説を読めば早いんじゃないかなって思いました。

 

 

その時は、日韓交流についての話だったと思うんだけど、

 

 

私がここまでパク・ミンギュの小説で笑って泣いて、

 

 

放心状態で毎回最後のページをめくり終えてしまうのも、

 

 

勝手に毎回作品にシンパシーを感じているからで、

 

 

今回は、三美を通して

 

シベリアの冷気にいち早く触れ、

 

厳しい冬を乗り越えた隣国の若者に

 

私は不思議な友情を感じているんだと思います。

 

 

 

だいたいのパク・ミンギュの本の主人公は悩んでいて、

 

そして、国関係なくだいたいの若者は悩んでいて、

 

 

それは、彼の緻密なマーケティング戦略の1つではなく、

 

 

彼なりの優しさが詰まっているからだと思います。

 

 

 

とりあえずこの本を読んで、

 

日韓交流って何だっけ。

あ、広島カープのことだ。

 

 

と思い、

 

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』に入ろうとと思たら、その日を

 

 

個人的で国際的な資本主義から独立記念日にしてもいいんじゃないかな。

 

 

人は健康のために息をしていた方がいいから。

 

 

 

PS.私は野球よりサッカーが好きです。