20歳と38度線

K-popと政治問題だけでは語れない朝鮮半島について書いています。

韓国軍人の彼氏と面会する方法

 今回は、韓国陸軍での面会方法について紹介したいと思います。私も、初面会の時は、どういう手順をふみ、何を持って行けばいいか全く分からず、心臓ばくばくでした。インターネットで面会方法を調べても、なかなか最新の情報が出てこないので焦ったのを覚えています。日韓カップル急増中の今、兵役を控えた彼氏を持つ日本人彼女としては「面会」は大きな不安要素でしょう。そこで、少しでも参考になればと「私の彼氏の部隊の面会方法」をまとめておきます。空軍、海軍は少し勝手が違うかもしれませんし、特殊部隊などとなるとまた違う手続きを踏まなければいけないかもしれません。しかし、私の彼氏は一番申請者が多い「韓国陸軍の一般兵」なので、注意事項などは参考になるかと思います。

行く前の準備編

 行き方と帰り方を確認

 まず、面会に行く際に一番重要なのが、「部隊までどうやって行くのか」です。都市部に部隊があればラッキーですが、田舎にあることがほとんどです。私の彼の場合は、北朝鮮との国境近くの部隊(多くの陸軍一般兵が勤務)で、超超超超田舎にあります。電車の最寄駅から車で20分の距離にあり、毎回タクシー代を忘れずに用意しています。また、部隊は軍事施設で正確な住所は教えられないということなので、部隊近くの目印となる場所とそこからの行き方を彼氏に聞いておきましょう。

 行きは最寄り駅からタクシーに乗ればいいのですが、帰る時のタクシーが問題です。日本と同じで、韓国の田舎でタクシーを捕まえるのは相当難しいです。そんな時に使えるアプリが「カカオタクシー」です。多くの韓国タクシーがこのアプリを使っているので、韓国では一番基本的な配車手配の方法です。あらかじめアプリをダウンロードして使い方を確認しておきましょう。カカオタクシーは日本語版もあります。

 持って行くものを確認

 面会時に絶対必要なのが英語か韓国語で書かれている身分証です。パスポートを持っていけば心配ありません。また、留学ビザや居住ビザなどで渡韓している場合は、外国人登録証でもOKです。

 他にも、プレゼントや彼氏への差し入れを準備していくと良いでしょう。面会室では持ち込んだ食べ物を食べることができますが、近くに食堂がないことが多いので配達してもらえない場合があります。食べ物も部隊に行く途中に買っていくのをオススメします。

師団の名前と階級、入隊日をメモしておく

 面会の時、必要になるのが彼氏の師団名と階級です。「〇〇団 △△兵 キム・□□」というものです。彼氏に聞けば教えてくれます。特に、階級は昇給し、時期によって変わるので気をつけましょう。私は過去一度、彼氏が昇給したことを忘れて受付の人に間違えた階級を伝えてしまったことがあります。そのために、データベースと私の伝えた情報が合わず長く待たされたことがありましたが、彼の入隊日を覚えていたのでなんとかなりました。もしものために入隊日も覚えていると良いでしょう。韓国人の場合、同姓同名も多いので正確な情報を受付で伝えられるようにしておいてください。韓国語の発音が難しければ、彼氏に韓国語でメモしてもらい、メモを受付の方に見せれば大丈夫でしょう。

 

面会当日編

部隊に着いたら

 お土産も買い、無事に部隊に到着しました。門に近づくと門を守っている軍人さんが入り口を開けてくれます。銃を持っていますが、怖がらなくてよいです。こちらがおかしな行動をしない限り銃を向けられることはないです。

 門に入る前に来た目的を聞かれるので、「ミョネ(면회、韓国語で面会)」と伝えてください。最悪単語でも通じると思うので、「ミョネ」だけは覚えていくと良いでしょう。

 受付へ通されるので、コンピューターの前に座っている人にまた、面会で来たことを伝えてください。その際に身分証を提出するように言われるので、準備をしていくと良いでしょう。身分証と引き換えに首から下げる面会証(バッチのようなもの)をもらいます。提出した身分証は面会証を返還する時に返してもらえるので心配する必要はありません。

 面会証をつけたら面会室に通されるので、そこで静かに待ちましょう。面会室は冷暖房完備、机、椅子、電子レンジ、給湯器、冷水機、トイレが備え付けてあります。面会室では、隊員と家族や友人たちが思い思いに時間を過ごしています。時々、隊員たちが出前を頼んで談笑していることもあります。日本で味わえない異空間を楽しんでください。待っている間に、受付の人がデータベースから彼氏の部隊に連絡し、彼氏を呼びたしてくれます。彼氏が来るまで長い時は20分から30分ほど待ちました。

 写真撮影は絶対禁止

 面会者が韓国人だろうが外国人だろうが、部隊内で写真を撮ることは禁止です。たとえそれが食べ物の写真であろうと、自撮りであろうと禁止です。また、門を外から撮影することも禁止です。写真を撮るところを発見されたら、即刻注意されて消すように言われます。私も最初、軍事施設がとても不思議で写真を取ろうとしたら真っ先に注意されました。 

ゴミは持ち帰り

 面会所には、大きなゴミ箱がありませんでした。冷水機の紙コップを捨てる小さいゴミ箱しかないので、持ち込んだゴミは全て持ち帰りとなります。差し入れとしてピザを持って行く時は、覚悟しましょう。

3時間ほど外出できる

 面会をすると、希望すれが3時間ほど彼氏と一緒に外出できます。私は、毎回タクシーを呼んで駅前まで行き、カフェやゲームセンターで遊びます。隊員が門を出てから門をくぐるまでが3時間なのでそれほど長い時間ではありません。制限時間に遅れないように注意してください。もし、遅れた場合、罰を受けるのは彼氏です。

軍人と一緒なら部隊の中を散歩できる

 軍人と一緒なら部隊の中に入ることができます。もちろん限られた範囲でです。部隊の中には旧型の戦車が展示されてあったり、キリスト教徒や仏教徒のためにお寺や教会があったりしました。他にはフットサル場やカフェもありました。意外と設備が整っていたので驚きましたね。ちなみに部隊内は女性トイレがほとんどないので、気をつけてください。

 

軍隊のコンビニ「PX」

 そして、軍人と一緒であれば軍隊のコンビニ「PX」に入ることができます。彼氏に頼んで連れてってもらいましょう。一般人も購入することができます。PXは軍人の生活用品を売る場所なので、利益を出すことを目的としていません。多くの商品が一般の価格より安く売られています。化粧品に関しては本当に安くて、種類はあまり多くはありませんが、化粧水や保湿パックが市場の5分の1の価格でした。一般人用に高麗人参やお酒も売っています。軍隊のTシャツも売っているのでお土産代わりに買っていっても面白いと思います。

帰る時編

面会証を返却するのを忘れずに

 帰る時は、面会証を返却し、身分証を返してもらうことを忘れないでください。面会時間に制限はありませんが、夕食の時間までには帰った方がよいと私は思います。私はいつも12時くらいに部隊につき、テイクアウトしたものを面会所で一緒に食べ、13時から15時まで外出して、16時くらいに帰っていました。

 

まとめ

 私も、初めての時はとても緊張しましたが、受付の方もとても優しかったのでそれほど心配しなくて大丈夫です。部隊内では軍人と一緒に行動し、部隊での指示に違反しなければ注意されることもありません。

 一番の問題は、帰りのタクシーが捕まるかどうかでした。日本語バージョンのカカオトークだと、現在地設定が運転手の受信アプリの方で英語表記となるので嫌厭する方もいるそうです。そういう時は、部隊近くの場所を韓国語で検索して、現在地をその場所に設定すると受信設定も韓国語になります。なかなか田舎でタクシーが捕まらない時は試してみてください。

 

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